20091228のエントリ
本年も当該ウェブにお付き合いいただきありがとうございました。来年もラピ友住環境部会にとって良い年でありますよう楽しんで行きたいと思います。
(前編に続く)
さて2件目は秋田市の泉南デンタルクリニックです。
ここも移転・オープンまでの時間が非常に短かった案件でした。設計コンセプトは忘れもしない出張中の青森のワシントンホテルの客室で呑みにも行かずに一晩(!)で描き上げています。あぁ建築の神様ありがとう。
既存のビルのテナント工事ですのでスペースは限定されていますが診察ユニットを中心から放射状に広がる配置にして、あえて患者さんとスタッフ導線をクロスさせ、かつ患者さんの視線は強くプライバシーを感じさせる。というミッションをクリアーさせています。
白い曲線の腰壁で仕切られた各診療ユニットは倒して診察の状態になると同色の天井クロスによって丸いドームに包まれている様な錯覚を起こし、非常に強い個室感を感じる様に考えています。
でも実際は腰壁上部は開放されており、先生やスタッフの目線やオペレーションを邪魔せず、サービスの低下と言う個室化が持つ大きな問題をクリアーしています。
診療ユニットは5台。内1台は手術室にありますので診察スペースには4台。配置と壁の曲線。スタッフ通路をあわせて四つ葉のクローバーを描き出しており、それが今回の医院移転の大きなモチベーションになっており、今回は花田にタイポグラフィーとロゴデザインもご依頼いただきましたので、それも四つ葉のクローバーをモチーフにしています。
コンセプトは「カワイイ」
カワイイと言ってもいわゆる既存の可愛さではありません。実に現代的でロマンティックで多少グロテスクな感じも含めた今風のカワイイです。内装のコントラストや色使いのコーディネート等は弊社花田(直)と理事長・事務長さんの腕の見せ所でした。
ところで今の時代の「カワイイ」は姿こそ違えど70年代のグラムやデカダン。80年代のニューウェーブの正常進化なんだなぁ。と実感する場面が沢山あって、それはそれは良い経験になりました。非常に人間の強さを感じるある意味ヤケクソ感のある色彩がデザインと相まって21世紀のデザインが構築されている事を確認出来た事件でもありました。
コーディネーションも複雑になっていますし、今回は色の反射まで意識して物を選んでいますのでプログレッシブなデザインワークになりました。いよいよ現代建築はコルビジェ・ミース・ライトを飲み込んで次に向かいはじめた感じがします。
建築家のセンスよりも街に溢れている情報の方が優れているケースも今後はあり得る時代だなぁと。
泉南デンタルクリニックは秋田市泉南1-2-2 プライズビル1Fです。新国道シダックスの向かい。ブックオフの隣です。
先生は男性ですが女性スタッフさんがサポートしますし、革新的な間取りにヒくかもしれませんがとにかく診療ユニットに座っていただけば意味は感じていただけると思います
入り口横には弊社のパネルまで貼っていただいております。ありがとうございます。
受付のスタッフに花田のブログを読んで来た。と言っていただけると・・・やっぱりいつもよりもやさしく診療していただけると思いますww